
整理する会議に役立つ本のご紹介?
整理する会議に適している人は、組織の競争力の源泉であるプロフェッショナルです。
情報収集力に優れ、その情報を整理して見える化することができます。
現状を整理して見えるようにするということには非常に高い価値がありますが、それに気付かず口先の空中戦を繰り広げる人が多いものです。
あなたは、整理と見える化の価値を知っています。
組織においてこのタイプの役割は、価値のある資料を作り出すことです。
主観や一例だけを挙げて議論が発散するような状況において、あなたは皆の考えをビジュアル化した資料で、建設的な議論を促すことができます。
また、データを紙に落とし、蓄積・標準化することで、組織戦略の源泉となる知的財産を作り出します。
整理力の構成要素
1.仮説思考
情報を効率よく集めるために、仮説を立案する能力です。
2.情報収集の方法
新聞やインターネットのニュースサイトなどは、誰かが事実を解釈して伝えている二次情報です。
これだけで判断すると、誤りの元になります。
ここでは、しっかりとした一次情報を得る方法をお伝えしていきます。
3.整理とビジュアル化
関係者の意見、収集した情報仮説などを、紙に落としてビジュアル化します。
整理力の基礎知識を得る
1.仮説思考
何か新しい仕事に取り組むときは、必要な情報を集めることが必要です。
しかし、やみくもに情報を集めても、ほとんどが役に立たず、逆に情報の海におぼれて無駄に時間を浪費してしまいます。
それだけでなく、せっかく集めた情報を使いたい気持ちが芽生えて、冷静な判断力が鈍ってしまうことにもなりかねません。
仮説思考は、そのようなことを防止する手法です。
まず論理的な仮説を立てることにより、どのような情報を集めて仮説を検証するかを決めることができ、情報収集の効率も、結果の客観性も、飛躍的に高まります。
イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
まずは概念的な本のご紹介です。
この本のタイトルである「イシュー」とは、「いま、この局面でケリをつけるべき問題」という意味です。
本の内容は、仮説を立てる以前に何が課題なのかを明確にし、そこから分解して仮説のストーリーを作っていこう、という内容になっています。
マッキンゼーであり脳科学者でもある著者が執筆しただけあって、非常にロジカルで信頼性の高い本です。
最近流行のライトなビジネス書ではなく、本を読み慣れていないと理解に時間がかかりますが、全てのビジネスパーソンに読んで頂きたい基礎知識と言えます。
読んだ次の日から、会議や打ち合わせでの自分の発言や、人の話の受け取り方に、変化を感じるでしょう。
この1冊でさらにわかる コンサルティングの基本 ベストプラクティス集
仮説思考といえば、コンサルタントです。
コンサルタントは数日~数ヶ月で結果を出す必要があるため、情報を網羅的に集めている時間はありません。
しっかりと仮説を立て、フレームワークで整理してから、その1つ1つの正しさを検証していく、という方法を徹底しています。
私も仕事柄、多くのコンサルティングファームの仕事ぶりを見てきました。
それなりに大手なのに現実とは程遠い教科書レベルのアウトプットだったり、個人事業なのに非常に大きな価値を与えてくれたり、その価値は本当にピンキリです。
この本に書かれているコンサル事例は成功例ばかりなので、良い参考になると思います。
概念レベルの知識本は多いのですが、コンサルは基本的にクライアントの情報に守秘義務があるので、このような詳細内容が掲載されている本は非常に貴重です。
本の知識と、自分の業務とのつなぎとして、一読の価値があります。
ヒットを生む商品企画七つ道具 よくわかる編
「大ヒットは出せないけれど、中ヒットくらいを確実に出す」という、つまりは統計を軸にした企画立案の本です。
この手の本は、成功事例を解説しているだけとか、抽象的なフレームワークの説明が多いのですが、この本はしっかりと実用レベルの手法に落としている点が素晴らしいと思います。
お勧めしたいのは前半、インタビューした内容の階層化や、アンケートの整理の仕方です。
この本の手法を用いれば、ふわっとした仮設に検証可能な具体性を持たせることができるでしょう。
商品企画とういタイトルですが、業務改善など人の意見をまとめて問題解決するプロセスに、広く応用できます。
いくつかシリーズがありますが、この「よくわかる編」だけ読めば十分です。
2.情報収集の方法
新聞やネットの質問サイトなどの情報は、誰かが1次情報を解釈して書いた、二次情報です。
個人的な見解が多く含まれており、正しいかどうかもわかりません。
我々がビジネスに使用する情報は、一次情報である必要があります。
正しい情報だけを入手し、自分たちで分析することが重要です。
情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」
一次情報を得る方法は、大きく分けて2つあります。
1.実際に現場に行って、自分で見聞きする。
2.公的機関の統計調査結果を参照する。
3・調査機関の公開レポートから文章ではなく調査結果だけを客観的に参照する。
2は、総務省統計局、経産省などのウェブサイトで公表されています。
3は、矢野経済研究所、マクロミル、三菱総合研究所などがネット上に数多く公開しています。
有料の物も多いですが、無料でも相当数が出回っています。
この本は、そんな正しい情報を効率的に調べる方法について記載されている、珍しい本です。
3.整理とビジュアル化
整理力は、適切な状況で適切な図を使える引き出しの多さと、人の脳に入って理解しやすいビジュアルがポイントです。
マインドマップやロジックツリーを使って、紙に落としながら整理していきます。
状況を整理した資料の用途は、プレゼンのためでも、ましてや保管するためでもありません。
その資料を叩き台に議論を促し、資料自体もブラッシュアップしながらアウトプットを最大化することです。
ビジネス・フレームワーク
フレームワークを使いこなすには、まずはフレームワークを知らなくてはなりません。
フレームワークは、様々なコンサルティングファームが長年かかって開発してきた物で、特定のファームが出版した本などでは、少数しか学ぶことができません。
この本は、そんなフレームワークをひたすら集めた辞書的な本です。
ホワイトカラービジネスマンなら、オフィスの机に1つ置いておきたい本だと思います。
文庫版でポケットサイズ、使いやすさも良い感じです。
あまりにも広く浅く触れているだけの本なので、これだけで使いこなせるようにはなりません。
事例集など実用的な本で学習を補強する必要があります。
フレームワークを使いこなすための50問
「これはすごい実践的なんじゃないか!?」と思って読み始め、
「なんだこれ、質問が無理やりで誘導的で、ぜんぜんだめじゃん」と思ったけど、
読み終えてみると得る物が多かった、不思議な本です。
特に P.67、整理・分析系フレームワークを地図にしているのが見事で、どのようなシーンでどのようなフレームワークを使えば整理できるのか、イメージができます。
代表的なフレームワークについては、実例や間違いやすい点なども記載されており、フレームワークを使い始めた時期に傍に置いておきたい内容になっています。
整理する会議を設計し、資料を作成する
整理力を活かし、整理する会議の資料を作成していきます。
みんなの議論のたたき台を作ることで会議を促進させることに、スキルを発揮しましょう。
整理する会議資料を作成する