対話する会議に役立つ本のご紹介


調和する会議に適している人は、議論の中心に立つファシリテーターです。
全ての仕事は人と人との相対的な関係で成り立っているため、ビジネスにおいてコミュニケーションは基本であり、奥義でもあります。

単に仲良くなることに意味はありません。
あなたの能力の目的は「他人を行動させること」です。

組織においてこのタイプの役割は、合意形成です。
ヒヤリング力のような「聞く力」、プレゼンテーション力のような「伝える力」、日常の根回し力などの総合的なヒューマンスキルが必要となります。
学習で身につけることは困難であり、経験や価値観が重要であるため、30代で適正が低い場合は身につけることが難しい適正です。




対話力の構成要素


1.聞く力(ヒヤリング)
  相手から情報を引き出すと共に、相手に参画感や満足感を与えます。

2.伝える力(プレゼンテーション/ネゴシエーション)
  交渉相手と合意形成します。



対話力の基礎知識を得る


1.聞く力(ヒヤリング)


コミュニケーションは、まず聞くことから始まります。
聞くということは、相手から情報を得るだけではありません。
心理学的な、非常に大きいネゴシエーションの効果を持ちます。

まずはその効果を知って頂きたいと思います。




公認モチベーション・マネジャー資格 BASIC TEXT

モチベーション・マネジャー資格は、最近できたばかりの資格です。
この本はその公式テキストで、できたばかりなのにわかりやすく、完成度が高いです。

基礎編だけあって、ハックマンとオルダム、マズローなど、超有名なマネジメント理論が解説されています。
色々な人の意見をヒヤリングしてまとめる時に、整理するフレームワークとして役立ちます。

部下の意見を聞き、どのように導いてあげるか、例題も掲載されています。
かなりわざとらしい例題ですが、実際のイメージが沸くので、理解するには良いアクセントになっています。





問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座

こちらも資格テキストシリーズで、ファシリテーター協会の教科書です。

ファリシテーションとは、司会進行、という意味です。
多くの人の意見を聞き、整理し、調和させる役割を言います。
正に対話力スキルの中核部です。

ファシリテーション本は、心構えや話し方、ツール紹介のような本が多いのですが、この本は具体的な職場の問題に対してどのようにアプローチするかを解説しており、実用的な内容です。

元々話がうまい人でも、ファシリテーションの技術は、1回は学んでおくことがベターです。
きっと得られるものがあります。




2.伝える力(プレゼンテーション/ネゴシエーション)


プレゼンテーションのトレーニングを職業にしている人は、世界に沢山います。
伝える力は、正しい作法があります。




ハーバード流交渉術 必ず「望む結果」を引き出せる!

タイトルの「ハーバード流」には、何の意味もありません。ただのセールストークです。
そんなの無くても、ビジネスの現場をちゃんとわかっている人が書いた良書です。

P.37に共感できるかどうかが、この本を役立てることができるかどうかの境目です。
交渉のスタンスを、次の3つで定義し、ハーバード流は3番を目指すものだとしています。

 1.やわらかい物腰で合意を目指す、ソフト型
 2.強気に勝利を目指す、ハード型
 3.双方が同じ立ち位置で課題に対峙し、一緒に合意をめざす、原則立脚型

ロジカルに相手と一緒に考えてゴールを目指そう、という考え方で、日本の大企業向けの現実的ノウハウです。
このマインドセットを得ることができるのが、この本の最大のメリットです。

実際はそんなにうまくいきませんが、心構えや駆け引きも一通り知ることができます。




人を動かす

言わずと知れた、カーネギーの古典的な名著です。
鉄工王ではなく、博士の方です。

人を動かすロジックの研究に生涯を捧げた博士が、いくつかのシーンに対して、原理原則の箇条を述べています。

アメリカの名著は、結論+その実例、という構成が多いです。
一方で日本人は、統計的な証明や、みんなと同じ、みたいな群集心理が強いという特徴があります。
そういう意味で、このような海外の哲学は、あまりピンとこない方も多いでしょう。

対話で人を動かすロジックを本気で体系化しようとした、素晴らしいチャレンジです。
意外と気持ちが前向きになるので、読んでおいて損はないでしょう。




TEDトーク 世界最高のプレゼン術

TEDトーク、ご存知でしょうか?
ご存じなければ、一度 YouTube で検索し、ご覧ください。
世界中の優れたプレゼンテーターのプレゼンを見ることができます。

内容の作り方や、スライドの作り方は、ちょっとエンターテイメントすぎてビジネスの場では使いにくいノウハウです。
一方でスピーチについてのコツやアドバイスは、会社の打ち合わせや会議にも十分に使える、ノウハウです。

プレゼン本はたくさんありますが、こと話し方については、他の追随を許しません。
ノウハウがシンプルにわかりやすくまとまっており、実例としての動画も無数にあります。





マッキンゼー流 プレゼンテーションの技術

かなり古い本なので、もうカビ臭い中古本しか手に入らないかもしれません。
マッキンゼー流というのは、大きな意味は感じません。

古い上にダラダラと事例が並んでおり、全体的な内容は良いとは言えません。
秀逸なのは、P.18「聞き手のための権利宣言」です。
仕事できる人かどうかは他人が決める、と同様に、プレゼンがわかりやすいかどうかは聞いている人が決めることです。
聞く側にとっての重要なポイントを列挙し、それを意識することで、プレゼンの質は格段に高まります。

これ以外にも、プレゼン十戒やチェックシートなど、整理された観点がとても参考になります。
この数ページが、内容の悪さを補って余りある価値を提供してくれます。





調和する会議を設計し、資料を作成する


調和力を活かし、調和する会議の資料を作成していきます。
できれば整理力も磨いて、客観的スタンスの2能力を武器に、ファシリテーターとして活躍してください。
自分の意思を押し出したりせず、みんなの合意形成を作ることに専念する人がいる職場は、非常にバランスが良くなります。

調和する会議資料を作成する

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